エリアガイド 国東コース①<K-1>

霊仙寺 ( れいせんじ ) 実相院 ( じっそういん ) 六所宮 ( ろくしょぐう ) ・( 夷谷 ( えびすだに ) )~ 西方寺 ( さいほうじ ) ( さと ) 大不動岩屋 ( おおふどういわや ) 旧千燈寺 ( きゅうせんとうじ ) 岩戸寺 ( いわとじ )

夷谷は別名「夷耶馬(えびすやば)」とも呼ばれ、瀬戸内海国立公園にも指定されている大分県の名勝のひとつ。その東側の谷に並び建つ霊仙寺・実相院・六所宮がコースの起点となります。

まずは六所宮の東側にある取付きから北東に谷筋を進み、後野越(うしろのごえ)と呼ばれる峠を西方寺の里に下っていきます。静かな田園風景が広がる西方寺の集落で一息入れた後は、阿弥陀越(あみだごえ)と呼ばれる峠を越え、国見町千燈地区を目指しましょう。阿弥陀越には朽ちかけた阿弥陀堂があり、このお堂のある岩屋を大藤岩屋(おおふじいわや)といいます。峠を越えて、400メートルほど進むと左手の岩壁に大不動岩屋が大きく口を開けているのが見えてきます。大不動岩屋からの眺めは素晴らしく、差別浸食によって形成された荒々しい岩峰が緑の中から何本も突き出している様はまさに圧巻です。

大不動岩屋からメイントレイルに戻ってしばらく進むと、やがて舗装林道になります。舗装林道を1キロメートルほど下ると、左手に尻付岩屋(しりつきいわや)があります。ここが県道31号との合流地点。県道31号に出た後はそのまま歩道を千燈寺まで北上します。千燈寺に立ち寄った後は西行戻し(さいぎょうもどし)を経て、旧千燈寺へ。ここは六郷満山の開祖とされる仁聞菩薩(にんもんぼさつ)の墓と伝えられている国東塔や無数の五輪塔群、一枚岩に半肉彫りされた仁王像千燈寺奥之院など見どころが多いスポットです。

史跡巡りを楽しんだ後は不動山に取付きます。不動山の山頂直下には、五辻不動(ごつじふどう)が山肌にへばりつくようにして建っています。ここから見る眺めもまた絶景で、天気が良ければ遠くに姫島も望むことができます。五辻不動にお参りした後は、コースの終点である岩戸寺まで下ります。

スポット紹介

霊仙寺・実相院・六所宮

霊仙寺・実相院・六所宮

夷谷は別名「夷耶馬(えびすやば)」とも呼ばれ、瀬戸内海国立公園にも指定されている大分県の名勝のひとつ。その東側の谷に並び建つ霊仙寺・実相院・六所宮がコースの起点となる。大地蔵尊・国東塔・仁王像などさまざまな石造文化財が多い。

大不動岩屋

大不動岩屋

阿弥陀越から国見町千燈地区に向けて400メートルほど歩いた場所にある大きな岩屋。開放的な内部は明るく広々としていて、奥の岩壁には風化した石仏が1体鎮座している。

千燈石仏

千燈石仏

鎌倉時代から南北朝時代にかけての作で、六郷満山に浄土教信仰が浸透してきたことを示す資料として大変貴重である。幅160cm、高さ70cm、厚さ50cmの一枚石に薄肉彫りした阿弥陀如来迎図。向かって右下の入母屋造屋形内に合掌僧形人物像と、それに向かって下ってくる阿弥陀如来、奏楽、舞踏の諸菩薩が彫られている。

千燈寺

千燈寺

六郷満山創始以来、西の叡山といわれ満山を代表した高山寺に次ぐ大寺であったが、火災に遭い廃寺同然となる。後に本堂下にあった末寺の西ノ坊と千燈寺の門前村である千燈部落の末寺下払坊(法教寺)が合併して本寺の命脈を引き継いだ。本堂前庭には、見事な宝篋印塔が残る。堂内には、修正鬼会に使用された荒鬼面と鈴鬼面など、旧千燈寺の遺仏、遺品が保管される。

西行戻し

西行戻し

全国行脚の旅に出ていた西行が、千燈寺の住職の器量をみようと山に登ってきたときに、小僧を試したところ、しっかりとした返答をしたので、「小僧でさえこれほどであれば、和尚の器量は見なくてもわかる」と、和尚に合わず、後戻りしたという伝説が残る。

旧千燈寺

旧千燈寺

かつて「西の高野山」と呼ばれ、六郷満山の中核を成す寺院として栄えた旧千燈寺の史跡。六郷満山の開祖である仁聞菩薩の墓と伝わる国東塔や無数の五輪塔群、仁王像など見どころが多い。

五辻不動

五辻不動

仁聞菩薩と4人の同業者が修行をしたと伝えられる秘所。岩壁に張り付くようにある岩屋には不動明王が祀られる。この不動山は標高365mで眼下に姫島や周防灘、豊後水道を収める眺望絶景の地。不動堂は東に面してご来光を拝するに最高である。また、六郷山不動根本霊場で五辻不動尊の名で親しまれている。

岩戸寺

岩戸寺

鎌倉時代、中山の岩殿岩屋、南北朝時代は末山本寺の岩戸寺、江戸時代に石立山岩戸寺と呼ばれていた。ここに残る国東塔は、すらりと優美な国指定重要文化財。塔身の刻銘により納経のため1283(弘安6)年に造立。銘文のある国東塔としては、最古のもの。また、成仏寺と隔年交代で、修正鬼会が行われる。